キリロム

キリロム工科大学カンボジア人学生契約から、これは8年間の労働校則?拘束?か

キリロム工科大学のカンボジア人入学契約書について相談を受けました。

キリロム工科大学はカンボジア人学生は学費が無料です。無料で学校に通えるための条件が設けられています。

中途退学の場合、

1年目 10,000USドル

2年目 15,000USドル

3年目 19,000USドル

4年目 20,000USドル

の違約金が発生します。

無償で大学に行けるので中途退学違約金の条項を設けるのは理解できます。

ただし、日系企業等から受注した仕事を「インターンシップ」という名の下でカンボジア人学生は労働しています。中途退学違約金とインターンシップ労働との対価が正しく評価されているのか?インターンシップ労働に従事する前に合意された取り決めがあるのかは問題があるところです。

そして日本人の私たちが理解できない条項があります。

卒業証書は卒業後4年間発行されない、手渡されないです。

学生は卒業後、提携企業に大学が定めた給与で4年間働くことが義務付けられています。

中途退社の場合は、

1年目 20,000USドル

2年目 18,000USドル

3年目 14,000USドル

4年目 10,000USドル

の違約金が発生します。

卒業証書が卒業時に渡されないこととその後の4年間の提携企業との雇用契約は無関係でないはずです。

これでは3月10日の私のブログ「出入国在留管理法令等に係る観点から」で懸念指摘されている外国人研修制度をキリロム工科大学という入れモノに置き換えたスキームに変えられたものであり、出入国在留管理上は不当な労働あっせんの疑いの指摘も間違っていないような気がします。

日本に学生を就業させた場合ですが、

提携日系企業からは、入学前?就職後?にキリロム工科大学に2万ドルが支払われていたはずです。中途退学、退社違約金、就職後の給与と4年間の就業義務等から2万ドルは、「奨学金」という名であれ、あっせん報酬と考えてもおかしくないと思います。

またこの契約は、親、家族の連帯保証が取られており、遅延延滞金は年18%となっています。

「日本では違法だが、カンボジアだからできる。」とキリロム日本人学生二期生を前に語っている猪塚武 キリロム工科大学 WAOJE 代表理事。

学生もさすがにこの発言には言葉を失ったそうです。

「日本だと長期間の無償のインターンシップが労働に見なされることもありますが、カンボジアでは無償のインターンシップは長期間でも無償のインターンシップのままです。」(猪塚武ブログより

とも言っています。

わざわざ「¥0」を強調するところは、いやらしさ、意地悪さ、学生をタダ働きさせる悪意を私は感じます。

キリロム工科大学猪塚武の見解通り、カンボジアでは問題はない、労働法等に違法性が無いかは私は判断できませんが、少なくともカンボジアの現行法は1992年以降、我が日本国が法的ODAで協力し、作成したものであり、日本国法と相違はあまりないと私は思います。

カンボジアはアジアの最貧国です。しかし、1992年から我が日本国はカンボジア王国を資金、人的に支援応援してきました。

筆者もカンボジアで事業を行っています。理不尽なことは確かに多く、激しい言葉を発したり、トラブルが絶えることはありません。

しかし、最貧国、発展途上国のカンボジア人を利用して、不当に、また一国の国民の尊厳を侵すような行為が許されることがあってはなりません。

文化、国力の違いはなれどお互いを尊重し合う気持ちが無ければならないと思います。

日本人が経営しているカンボジア人のために、社会貢献のためと言われていた大学が、この契約内容でいいのかと疑念があります。

今までカンボジアのために尽力してきた我が日本国、先人の日本人の努力と信用を失いかねない契約内容と感じます。

私、日本人だけでなく、同契約を見たカンボジア人も非常に厳しい契約であると驚いています。

 

 

 

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POSTED COMMENT

  1. 匿名 より:

    2014年開校で4年制大学、卒業4年後まで卒業証書が発行されないのなら、キリロムの卒業証書を持っている人間はまだ地上に一人も存在しないということですね。卒業生ゼロと同じでは。

  2. 匿名 より:

    卒業後提携企業からピンハネしているなら無許可の外国人技能実習生制度の悪用と違うの?
    一度キリロムに入ると8年間縁が切れないのか金がないと
    ひでえな、猪塚って日本人か?

  3. 匿名 より:

    大学というより人身売買みたい
    ラブホといい、大学内ホステスバーといい、人を人と思わぬ犬か猫か、売春婦くらいにしかカンボジア人を見ていないのがよく分って怖い

  4. 匿名 より:

    キリロムのホームページ見たら、色々言い訳してたけと、酷かった。
    一番笑えたのは、学生を退学させたあと、日本大使館に電話して、金を持ってない学生を退学させたので、そちらに助けを求めるだろうから助けてあげてと頼みました、とか書いてあったこと。
    そんなこと本当に日本大使館に頼んだとしたら、日本大使館も呆れたことだろう。

    • tanichucambodia より:

      学生に暴行傷害までやって、着の身着のままで、ある荷物を全て空港に放り出したキリロム工科大学がね。。。そのうち二人は未成年者。
      「助けてあげて下さい」と日本大使館に電話したら、だから何んなの?

    • 匿名 より:

      学生たちを追い出しておいて、その後助けて下さいと言ったから思いやりのある人間だと思う人はいないでしょう。最低としか見ないはず。
      自ら最低な人間と告白していることに気付かない猪塚は人として終わっている。事業も終わっている。
      猪塚のオナニーを見ているようで吐気がする。
      この後付けみたいな話も猪塚が学生を退学させた処置の不味さの後の慌てぶり動揺ぶりがよく出ている。少なくとも日本人がこの退学騒動から一気にキリロム悪に傾いたからだ。
      刑務所に行かないだけでもありがたく思えとブログしていたことを忘れているくらいだから夜も寝れないくらい動揺しているんだろう。

  5. 匿名 より:

    隅丸大使のメッセージもいつまでも利用されていますよ。
    https://www.kirirom.info/supporters/  

    これで信用して投資する奴もバカだが、自分の学校の学生を保護してくれと頼むような猪塚みたいなクソに日本政府の信用を贈る大使館もクソバカだ。

  6. 匿名 より:

    みなさんに提案です。ツイッターでもfacebookでもなんでもいいのでSNSのアカウントをお持ちの方は、被害者の会のサイトをシェア拡散してはどうでしょうか。アクセスを上げてグーグルの検索でできる限り上に出るようにするためです。地味な作業ですが効果があると思います。

  7. 匿名 より:

    この疑惑が浮上したことで在留資格は難しくなると思いますよ。一度目をつけられたらこの団体が絡んだ日本の審査は厳しくなります。

  8. 奴隷契約? より:

    サインした瞬間に、学費=数百万円の借金をかかえ、8年間、インターンとスポンサー企業への勤務が義務付けられる。実質的な「卒業」は「借金」を返済し終えた8年後。学習環境や生活環境が劣悪だったとしても辞めるにやめれず、でも数人の限られた人間しか日本のスポンサー企業には就職できない。残りの学生は、キリロム自社に月数百ドルで4年間さらに拘束される。これって・・・

    • 匿名 より:

      どう見ても詐欺&人身売買ですね。
      カンボジアでは違法じゃないんですかね?

  9. 匿名 より:

    日本においては、このような『奴隷契約』は、自由を極度に制限する行為として、公序良俗に違反(民法第90条)し、契約自体が、無効となる可能性が高い。

    かつて、親が置屋おきやから高額の前借金ぜんしゃくきんを受け取り、その返済に充てるため娘を芸者や娼妓しょうぎ(売春婦)として働かせるという契約が存在した。これを芸娼妓げいしょうぎ契約と言うが、その実体は人身売買にほかならない。芸娼妓契約は、前借金契約(金銭消費貸借)と強制稼働契約(娘が働いた分の稼ぎを借金の返済に充て、娘が足抜あしぬきした(逃げた)ときは違約金を支払うという約束)の二つの部分から構成される。戦前の判例には、強制稼働契約部分を無効としながら、前借金契約部分を有効として、貸主は貸金の返還を請求できるとするものがあった。しかし、その後、前借金契約部分も無効であり、貸主は貸金の返還を請求することができないと判示した(最判昭30.10.7)。

    もし、カンボジアの法律が、日本の法律を、手本として、作られたのであれば、日本の民法第90条『公序良俗違反』の条項が、あるはずであり、カンボジア学生は、契約自体を、無効であると、主張することができるはずである。

    現在、キリロム工科大学の行っている、『8年間拘束の奴隷契約』は、かつての『芸娼妓契約』と、うり二つであり、決して許されるものではない。

    キリロム工科大学側では、『ここは、カンボジアだ。俺たちの行っている行為は、カンボジアでは、合法なんだ!』との意見であるが、同じ同胞のカンボジア人を、外国人である日本人に、食い物にされ、虐げられているのを見て、カンボジア人の裁判官は、何と判断するであろうか。
    血の通った人間として、到底、許されるものではない。

  10. 匿名 より:

    キリロム側は確信犯としても、受け入れ企業側が事実上の大学による労働斡旋であること、このような契約があることを認識した上でスポンサーとなっていたのかが問われます。法的に真っ黒なのかグレーなのか、法の抜け穴を利用しているのか。単によく調べず話に乗ったのか。いずれの場合にしても、最低限道義的責任は免れません。

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